事務所LAO – 行政書士・社会保険労務士・労働衛生コンサルタント・海事代理士

化学物質の管理を解説

2023/05/11 2023/05/11

【まとめ】化学物質の自律的管理におけるがん原性物質への対応をまとめました。

化学物質の自律的管理における、がん原性物質についてまとめました。
よく間違われるのですがは、「がん原生物質」ではなく、「がん原性物質」です。
他に、がん原性物質に対応すべきことはあるのですが、通達がでそろっていないこともあり、最新情報はご確認ください。

 化学物質の自律的管理におけるがん原性物質への対応を順に解説します。

化学物質の自律的な管理に必要なCAS番号について

取り扱っている化学物質ががん原性物質にあたるかを調べる前に、化学物質を特定しなければなりません。
化学物質を特定するために、当該化学物質のCAS番号を調べましょう。

CAS番号はわかったけれど、がん原性物質をどのように調べればよいでしょうか。

では、当該化学物質が、がん原性物質に当たるかをどのように調べればよいでしょうか。
こちらに関しては厚生労働省の告示があります。この告示の「労働安全衛生規則第577条の2の規定に基づき作業記録等の30年間保存の対象となる化学物質の一覧」にCAS番号が記載されていますので、取り扱う化学物質のCAS番号を照合してみましょう。
上記一覧には、更新があるかもしれませんので、必ず厚生労働省のサイトをチェックして確認しましょう。

がん原性物質の作業記録の保存について解説

がん原性物質の作業記録については、30年間の保存が義務付けられています。こちらに関しては論点が多いのですが、以下に記事をまとめました。

がん等の遅発性疾病の把握強化(同種のがんに罹患した場合)について解説

事業者は、化学物質又は化学物質を含有する製剤を製造し、又は取り扱う業務を行う事業場において、一年以内に二人以上の労働者が同種のがんに罹患したことを把握したときは、当該罹患が業務に起因するかどうかについて、遅滞なく、医師の意見を聴かなければなりません。こちらについて、どのように事業所が対応すべきかを解説しています。
就業規則の変更も視野に入りますので、社会保険労務士との連携も必要でしょう。



もう一つの化学物質によるがんへの対策、安衛法28条3項の「がん原性指針」について

化学物質の自律的管理においては、リスクアセスメントを主体とした化学物質の対応が求められており、その中で、労働安全衛生規則577条の2において、がん原性物質について告示がなされています。
しかし、化学物質の自律的管理が始まる前から、がん原性指針という指針があり、対象物質等について、事業者が講ずべき措置が規定されていました。

この規定は別規定になります。両方に記載されていることを2回する必要はありませんが、化学物質の自律的管理にのみ記載されている規定と、がん原性指針にのみ記載されている規定があり、これらはそれぞれの規定により実施しなければなりません

 まとめ

取り扱っているがん原性物質について、調べ方と対応について、指針などで開設されている部分をまとめました。
最新の情報につきましては厚生労働省HPにてご確認ください。




労働衛生コンサルタント事務所LAOは、化学物質の自律的管理について、コンサルティング業務を行っております。

産業医として化学物質の自律的管理に対応可能な医師はあまりいないと思われますが、継続的なフォローも必要なため、産業医又は顧問医としての契約として、お受けしております。

個人ばく露測定のご相談やリスクアセスメント対象物健康診断の実施についても対応可能です。
化学物質の個別的な規制についても得意としています。

Zoom等のオンラインツールを用いて日本全国対応させていただいております。

詳しいサービス内容は以下のページをご参照ください。

新たな化学物質規制・化学物質の自律的管理支援
お問い合わせはこちらかお願いいたします。

この記事を書いた人

清水 宏泰

1975年生まれ。公衆衛生分野の専門家。現在はさまざまな組織の健康問題を予防するためにLAOにて行政書士・社労士・労働衛生コンサルタントとして活動しています。主に健康、心理系、産業保健の情報について発信していきます。

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