事務所LAO – 行政書士・社会保険労務士・労働衛生コンサルタント・海事代理士

【資格・カウンセラー向け】キャリアコンサルタントの就職・お仕事の現状について

キャリアコンサルタントを最近取得した方、又はこれからキャリアコンサルタントとしてお仕事をしていきたいと思われている方向けの記事になります。
キャリアコンサルタント(キャリコン)の職業(就業や事業としての職業)についてお話しいたします。
よく相談を受けるのですが、キャリアコンサルタントとして活躍するために、どのようにして仕事を見つけるか、またどのようにスキルを磨いていけばいいか、ということを聞かれます。
今回はこれらに関するお話をします。

キャリアコンサルタントの就職・お仕事

キャリアコンサルタントの業務について

結論を言いますと、キャリアコンサルタントのお仕事一本で収入を確保するのはなかなか難しいです。

キャリアコンサルタント技能検定2級試験(以下、キャリコン2級)対策のロープレに来られる方は、職業紹介事業やハローワークにお勤めの方が多い気がします。このようなキャリア支援を普段から行っているお仕事の方は、キャリコン2級は取らないといけないようですね。したがって、キャリア系のお仕事で就職活動する場合や、起業する場合には、キャリコン2級は取得しておいた方がよいでしょう。

国家資格キャリアコンサルタント試験に合格した後ですが、やはりカウンセリング系の技は、使わないと伸びませんし、維持するために使わなければなりません。

キャリア系・心理系を問わず、カウンセリング業務の特殊性ですが、どんなカウンセリングのベテランであっても、クライエントと相性が合わないことがあります。そういう意味で、カウンセリングを中規模以上の事業として行う場合に多数のカウンセラーさんをかかえてマネジメントするというのは結構大変だと思います。

キャリアコンサルタントの更新

国家資格キャリアコンサルタントは更新制であり、5年に一度の更新が必要です。この更新には、要件があります。1種または2種の技能検定に合格されることにより更新要件を得る方もいますが、多くの方は、更新講習を受講されるのではないでしょうか。

更新研修は様々な機関が実施しており、オンラインでの受講ができるものも多いので受講することはそれほど難しくないでしょう。キャリアコンサルタントの更新講習の費用ですが、1日6時間で概ね15000円から20000円くらいであり、更新要件を満たし、さらに更新料を合わせると、5年間で10万から15万円ほどかかる計算になります。結構、費用はかかりますよね。

リファー先の確保

また、リファー先の確保は重要です。キャリアで悩む中でメンタルヘルス不調の方が発生し、キャリアコンサルタントが面談する可能性は低くはありませんので、リファーが必要な場合のため、医師との連携はあった方がいいでしょう。

しかし、臨床心理士や公認心理士などの医療職と違い、キャリアコンサルタントは医療との接点がほとんどないという印象があります。やはり、一般的に医療職と非医療職の間には壁があり、医療職でキャリアコンサルタントのお仕事や守秘義務を理解している方もほとんどいないのではないかと思います。リファー先としての、医師や医療機関を確保するのはなかなか難しいかと思いますが、いつか遭遇するメンタルヘルス不調事案のためになんとか確保することをお勧めします。

また、労務や社会保障に関する相談を行える社会保険労務士が身近にいると非常に役立つでしょう。社会保険関係や労働法令については改正が多く、古い情報で情報提供してしまわないためにも社会保険労務士に相談できることは重要です。

キャリアコンサルタントとして独立開業する方は、リファー先の確保に努めることが重要です。

キャリコンサーチについて

ちなみに、キャリコンサーチという厚生労働省のサイトがあります。こちらは、このサイトから条件に合ったキャリアコンサルタントを検索できるというホームぺージです。

しかし、私も登録しており、私の知る範囲では、なかなか依頼がコンスタントに来るというわけにはいかないようです。

キャリコンサーチとは、国のキャリアコンサルタント名簿に登録している「キャリアコンサルタント」と「キャリアコンサルタントを探したい企業担当者や個人等」ご利用者とのマッチングを支援するキャリアコンサルタント検索システムです。(キャリコンサーチHPより)


キャリコンサーチ – 国家資格キャリアコンサルタントWebサイト

キャリアコンサルタントの開業について

さて、ではキャリアコンサルタントの資格を取ったが、仕事をどうやって見つけていけばいいのかですが、一つは人労系の部署に就職活動を行うことでしょう。ただ、キャリアコンサルタント資格だけでは難しいかもしれません。前述しましたが、キャリコン2級はあった方がよいでしょう。

私でしたらどうするでしょうか・・・

①カウンセリングルームを開業する。
②個人事業主や株式会社設立後にネットや紹介で仕事を受ける

といったところでしょうか。しかし、なかなか一定数のキャリア相談を個人から受けることは難しいと思います。法人との契約があればよいですが、こちらもなかなか難しいかと思います。

個人でキャリアコンサルティング事務所だけを開設するのはなかなかハードルが高いですが、例えば、すでに社労士事務所や、労働衛生コンサルタント事務所を開設されている方は、初期費用も必要なく、今までのお仕事のネットワークを利用できるので強いでしょう。社会保険労務士とキャリアコンサルタントは親和性がいいので、社会保険労務士に営業を行うのは良いかもしれません。産業医とキャリアコンサルタントはすごく相性がいいのですが、産業医のキャリアコンサルタントに関する仕事理解があまりない場合が多いので、なかなかお話を聞いてもらえないかもしれません。

キャリアコンサルタントにおいて必須のスキル、傾聴スキルはどの対人業務に非常に役に立ちます。また、自分自身のキャリアについても論理的に考えることができるようになります。キャリアコンサルタントとしての強みを活かしていきましょう。

キャリアコンサルタントのダブルライセンス

キャリアコンサルタントは他の資格と組み合わせると非常にいいと思います。こちらについては、ダブルライセンスということで様々な情報がWeb上で検索することができるでしょう。

社労士+キャリコンで労働・企業分野のキャリア支援ができます。
臨床心理士・公認心理士+キャリコンで、心理職があまりターゲットとしないキャリア支援を行えます。
FP+キャリコンで、ライフ・マネープランの相談にキャリアの要素を考慮できるようになれます。
医師+キャリコンもいいです。病気になった人のキャリアのことを考えれますし、自分でリファーが容易であることもメリットです。特に産業医業務においてはキャリアの問題と親和性が高いです。忙しくてなかなか40分以上のカウンセリングを行うというわけにはいかないでしょうが・・・

 まとめ

キャリアコンサルタントとしての開業を一本でやっていくのはなかなか難しいというのが本当のところです。しかし、そもそも傾聴スキルはどの対人業務に非常に役に立ちます。また、自分自身のキャリアについても論理的に考えることができるようになります。

キャリアカウンセリングの歴史はフランク・パーソンズをはじめとして100年以上あり、学問として確立されており、人的・金銭的リソースをつぎ込まれてきています。使える理論は使えるようにならないと損ですよ。

正直、私はキャリアコンサルタント資格を取得していてよかったです。
また、心理系とキャリア系のカウンセラーの記事はこちらを参照ください。



労働衛生コンサルタント事務所LAOでは、メンタルヘルスに関する、コンサルティング業務を行っております。

メンタルヘルス不調に関する難しい案件にも対応いたします。社労士ですので、就業規則や社会保障も含めた労務管理を考慮した対応を行い、また、主治医との診療情報提供依頼書のやり取りを通じて、従業員の復職支援、両立支援を行うことを得意としています。

行政書士事務所として、休職発令の書面や、休職期間満了通知書、お知らせ等の書面の作成も行います。

メンタルヘルスに関する、コンサルティング業務は、原則として、顧問医・産業医としての契約になります。
オンラインツールを用いて、日本全国の対応が可能ですのでメンタルヘルス不調でお困りの方はぜひお問い合わせください。

お問い合わせはこちらかお願いいたします。

この記事を書いた人

清水 宏泰

1975年生まれ。公衆衛生分野の専門家。現在はさまざまな組織の健康問題を予防するためにLAOにて行政書士・社労士・労働衛生コンサルタントとして活動しています。主に健康、心理系、産業保健の情報について発信していきます。

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