事務所LAO – 行政書士・社会保険労務士・労働衛生コンサルタント・海事代理士

【医師向け】医師の働き方改革と面接指導実施医師(長時間労働を行った医師に対する面接指導について)

2024年より、医師の働き方改革が始まります。
長時間労働を行った医師に対する面接指導を行う医師は、厚生労働省の講習会を終了した医師である必要があります。
この、厚生労働省の講習会を終了した医師を面接指導実施医師と呼びます。
今回は、この制度についてお話いたします。

通常の長時間労働を行った労働者に対する面接指導との違い

通常の長時間労働を行った労働者に対する面接指導との違い

通常の長時間労働を行った労働者に対する面接指導は、医師であれば行うことができます。


しかし、長時間労働を行った医師に対する面接指導を行う医師は、厚生労働省の講習会を修了した医師である必要があります。
この厚生労働省の講習会は、面接指導に必要な知見に係る研修(面接指導実施医師養成講習会)と言われ、修了した医師を「面接指導実施医師」と言います。

この面接指導実施の研修は以下で受けることができます。
ちなみに無料です。試験は結構難しいですが、何度も受験できます。

医師の働き方改革 面接指導実施医師養成ナビ HP

「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」について

詳しい面接指導の実施方法については、「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」があり、こちらを参照すると実施できます。

以下の面接指導の枠組みを見ていただきますと、面接指導実施医師と、産業医は別物ということになります、但し、兼務することは可能です。

引用:長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル

 この医師への健康確保措置を行う前に知っておくべき、医師の時間外労働の上限規制について

医師の勤務時間の上限規制については、以下の図のようになっています。
厚生労働省資料、医師の時間外労働規制について2024年4月からは36協定において医師の労働における特例が適用され、病院の機能などに応じてA・B・C水準に分類されます。
この区分の表はみなさまも見たことがあると思います。

引用:医師の時間外労働規制について
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000859949.pdf



引用:「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」

こちらについて解説いたします。2024年4月1日からの区分を見てください。
A水準、連携B水準、B水準、C-1水準、C-2水準があります。
これらの水準を解説します。

 一般の方の同じ働き方であるA水準

結論から言いますと、このA水準は、一般の方に近い働き方をしている医師に適用されることになります。

残業については、36協定が必要なことはご存じかと思いますが、図の一番左、「一般則」において、時間外労働の上限は年間720時間になります。そして、自動車運転の業務で特別条項付き36協定を締結する場合の年間の時間外労働の上限が年960時間となります。この、自動車運転の業務と同レベルの残業規制ということになります。

時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務 (厚生労働省)

勤務医の残業規制の基本はA水準になります。
そして、「一般則」では、残業時間が月100時間までというのが、絶対的な上限となりますが、医師の場合、年間960時間を満たしても、月100時間を超えることがあります。医師は、緊急オペとかあるので、許容しなければならない場面があるかもしれません。
そこで、今回の面接指導が絡んできます。図を見ていただきますと、「月の上限を超える場合の面接指導と就業上の措置」と記載されている部分があります。
100時間を超える場合には、医師の面接指導を行い、制度を運用できる場合には、例外として100時間を超えていいということになっています。

B水準、連携B水準、C水準について

このように、勤務医の基本はA水準となりますが、すべての医師がA水準となると医師不足になってしまうことが分かっています。そこで、当面の間、年1860時間までの上限設定として緩和しました。これが、B水準、連携B水準、C水準になります。これはさらに分けられ、地域で医療提供のために必要な場合に設定されるB水準、連携B水準と、研鑽を積みたい医師向けのC-1、C-2水準になります。

なお、この1860時間という数字については、長時間労働の医師の上位10%を削減できるということで設定されました。時間外労働の年間上限の基準として1860時間が適用される医師は、連続時間制限時間制限28時間や勤務間インターバル、代償休息を確保することで、年間の時間外労働は多いが、日々は休めるような設定になります。

このように、すべての医師は、時間外労働が2024年4月1日から1860時間未満となります。
さらに、将来的には、図にもありますように、AとC-1,C-2の水準となります。

このように、A水準、B水準、連携B水準、C-1水準、C-2水準がありますが、すべてにおいて、「月の上限を超える場合の面接指導と就業上の措置」が必要となります。

医師指導結果報告書

長時間労働面談については、報告書を作成いたしますが、今回の医師指導については、医師指導結果報告書の書式が上記マニュアルに例示されています。
一般的な長時間労働面談の面接指導結果報告書とは若干違います。
参照:長時間労働者、高ストレス者の面接指導に関する報告書・意見書作成マニュアル(厚生労働省)
以下、引用:「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル

まとめ

今後、長時間労働を行った医師に対する面接指導をおこなおうとする医師はこの面接指導実施医師養成講習会を修了しておきましょう。


労働衛生コンサルタント事務所LAOでは、産業医・顧問医の受託をお受けしております。労務管理と一体になった産業保健業務を多職種連携で行います。

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この記事を書いた人

清水 宏泰

1975年生まれ。公衆衛生分野の専門家。現在はさまざまな組織の健康問題を予防するためにLAOにて行政書士・社労士・労働衛生コンサルタントとして活動しています。主に健康、心理系、産業保健の情報について発信していきます。

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