事務所LAO – 行政書士・社会保険労務士・労働衛生コンサルタント・海事代理士

化学物質の管理を解説

2023/08/20 2023/04/18

【人事労務担当者・産業医向け】リスクアセスメント対象物はどのように調べればよいのか?調べ方について解説

化学物質の自律的な管理における、リスクアセスメント対象物質は今後、ますます追加されていきます。

では、どのようにリスクアセスメント対象物質を調査すればよいのでしょうか。リスクアセスメントの実施義務は、SDS(安全データシート)の提供義務がある物質に対して課せられています。

今回は、SDSの提供義務がある物質の調査方法について説明します。

化学物質リスクアセスメントを行う義務のある物質を調べるサイトについて

SDS交付義務のある物質が検索できるサイト1 「労働安全衛生総合研究所」

SDS交付義務のある物質を検索するには、以下のサイトがよいと思います。厚生労働省の公式のリーフレットに記載されているサイトですね。

化学物質の管理が変わります !
労働安全衛生総合研究所ホームーページ


このサイトでは、「労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付の義務化対象物質リスト」をエクセル形式でダウンロードすることができます。エクセルシート内で、事業所で使用している化学物質名を検索することで該当する物質を特定できます。また、同様に、エクセルシート内でCAS番号を使用した検索も可能です。

以下、エクセルファイルの画像です。

ただし、化学物質には別名が存在したり、表記が複雑な場合や微妙に検索名が異なる場合もありますので、CAS番号による検索を推奨します。CAS番号は一意な識別子であるため、正確な検索結果が得られます。

SDS交付義務のある物質が検索できるサイト2 「職場の安全サイト」

検索しやすいのはこちらでしょう。厚生労働省の「職場の安全サイト」です。
物質名でもCAS番号でも、どちらでも一発で検索できます。



「職場のあんぜんサイト-GHS対応モデルラベル・モデルSDS情報」
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/GHS_MSD_FND.aspx

今回の記事では、この職場の安全サイトを用いたリスクアセスメント対象物の調べ方を解説したいと思います。

 「職場のあんぜんサイト」でのリスクアセスメント対象物の調べ方

上記の職場のあんぜんサイトには、使用方法が記載されているのですが、今回はわかりやすく図にしました。
今回は、2つの物質について、検索をしてみましょう。

① トルエン CAS番号 108-88-3
② ダイオキシン類

では、まずこれらの物質のCAS番号を検索してみます。

 トルエンの検索

トルエンをCAS番号で検索してみましょう。入れてみましょう。

このように、すっと、トルエンがリスクアセスメント対象物に合致することがわかりました。


このように検索ですっと出るので便利です。

「ダイオキシン類」の検索

上記のように、名前検索で「ダイオキシン類」を検索してみましょう。

結果ですが、このように出力されます。CAS番号はありませんね。このように、CAS番号が表示されない場合がありますので困りました。
実は、ダイオキシン類というのは、「類」なのか、CAS番号がないのです。


NITE化学物質総合情報提供システム

上記のように、CAS番号がなく、すっと検索できない場合がありますが、このような場合には、別の検索システムを使ってみましょう。

もう一つの検索方法ですが、製品評価技術基盤機構のNITE-CHRIP (NITE 化学物質総合情報提供システム)があります。
こちらでダイオキシン類を調べてみましょう。

NITE-CHRIP (NITE 化学物質総合情報提供システム)
https://www.nite.go.jp/chem/chrip/index.html

トップページの「化学物質から調べる」をクリックします。

ここで、ダイオキシンを検索しましょう。


すると、ダイオキシン類の一覧が出てきます。これらにはCAS番号が記載されています。

このダイオキシン類の一つをクリックすると、詳細が出てきます。

このように、NITEの方が、詳しい検索ができますね。
法令についても詳細が記載されています。

NITEと職場の安全サイトの両方を扱えるようになりましょう。

まとめ

SDS発行義務のある物質かどうかを検索できるサイトをご紹介しました。検索においては、CAS番号が最も確実な方法です。これらのサイトを使用して通知対象物質に該当するかどうかを確認し、リスクアセスメントを実施しましょう。人事労務担当者や産業医なども、これらのサイトの存在を知っておくことが重要です。

なお、がん原性物質の検索につきましては、こちらの記事をご参照ください。

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この記事を書いた人

清水 宏泰

1975年生まれ。公衆衛生分野の専門家。現在はさまざまな組織の健康問題を予防するためにLAOにて行政書士・社労士・労働衛生コンサルタントとして活動しています。主に健康、心理系、産業保健の情報について発信していきます。

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