2023/06/06 2023/06/06
【心理学】否定的な情報への反応が大きくなってしまうネガティビティ バイアスについて解説
みなさまは、最近のニュースはどのようなニュースを思い浮かべますか?
大変なニュース、悲しいニュースを思い浮かべましたでしょうか。
嬉しいニュースでしょうか。
実は、大変な、悲しいニュースを思い浮かべた方が多いはずなのです。
この現象を説明するのが、ネガティビティ バイアスです。
今回は、ネガティビティ バイアスの解説をします。
危機への反応は大きいものなのです、ネガティビティ バイアスについて解説
ネガティビティ バイアスとは
Negativity Bias(ネガティビティ バイアス)とは、個人にとって否定的な情報や出来事に対する注意や反応が、肯定的な情報や出来事よりも大きくなる傾向を指します。
このネガティビティ バイアスは、小児発達でよく研究されています。大人は強力なネガティビティ バイアスがかかると言われています。
以下、ネガティビティ バイアスの例です。
- 昔に仕事で失敗したことを、ずっと引きずってします。
- 前を歩いている人の傘が、自分の足にあたったことで1日嫌な気分になる。
- 仕事に行く途中で電車を乗り過ごしたが、仕事に間に合った。しかし、1日嫌な気分だった。
- 割り勘をしたときに、100円損をしていることをずっと覚えている。
- 10年前にいじめられたことをずっと覚えている。
ネガティビティ バイアスの問題点
ネガティビティ バイアスがあることで、個人にとって否定的な情報や出来事に対する反応が大きくなることがあげられます。その結果、個人の行動や意思決定に影響が及ぶかもしれません。
また、広告などではしばしば否定的な情報を明示的に提示し、印象を与える手法が用いられます。例えば、「あなたは癌かもしれないので健診を受けましょう」という広告は、ネガティビティ バイアスにより強い印象を与え、健診を受ける意欲を高める効果が期待されます。
また、SNSなどで否定的なニュースや問題点を強調することは、ネガティビティ バイアスにより人々の関心を引きつけ、記憶に残る効果をもたらします。そして、いわゆる「炎上」の原因となる場合があります。
しかし、ネガティビティ バイアスは、危険を避けるために必要なバイアスでもあります。
個人にとって否定的な情報や出来事をしっかり認識することで、危機を避けることができるかもしれません。
バランスが重要です。
ネガティビティ バイアスを避けるために
その他のバイアスと同様に、ネガティビティ バイアスの存在を知ることが重要です。自分がネガティビティ バイアスの影響を受けることを知りましょう。
また、否定的な情報だけでなく、肯定的な情報や出来事に意識的に注意を向けることや、否定的な情報を客観的な視点で評価することが重要です。
産業保健現場において
産業保健現場でカウンセリングを行っていると、クライエントが経験した特定の出来事がネガティビティ バイアスによって否定的な側面が強調され、本人が悩んでいると感じる場合があります。
また、情報が不足している場合にも否定的な側面に意識が向かい、本人が悩んでしまうことがあります。
クライエントの肯定的な側面の情報を整理して認識したり、客観的に否定的な経験を把握することは有益な手段です。
まとめ
Negativity Bias(ネガティビティ バイアス)とは、個人にとって否定的な情報や出来事に対する注意や反応が、肯定的な情報や出来事よりも大きくなる傾向を指します。
ネガティビティ バイアスがあることで、個人にとって否定的な情報や出来事に対する反応が大きくなり、個人の行動や意思決定に影響が及ぶかもしれません。
対策としては、その他のバイアスと同様に、ネガティビティ バイアスの存在を知ることが重要です。
自分がネガティビティ バイアスの影響を受けることを知りましょう。
また、否定的な情報だけでなく、肯定的な情報や出来事に意識的に注意を向けることや、否定的な情報を客観的な視点で評価することが重要です。
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