2023/06/25 2023/06/26
【まとめ】船員向け産業医の特殊性と海事代理士について、わかりやすく解説
海事代理士事務所LAOを開設するきっかけは、2023年4月よりの船員向け産業医制度でした。
今回は、船員向け産業医と海事代理士についてのまとめ記事です。
船員向け産業医と海事代理士について、わかりやすく解説
2023年4月より、船員向け産業医制度が開始されました。
陸上制度の労働者は、労働安全衛生法、労働基準法の適用になりますが、船員に対して労働基準法は一部のみ適用されます。
労働安全衛生法は、船員法の適用を受ける船員については適用がありません。そのため、2023年3月までは、労働安全衛生法の産業医に関する規定は船員には適用されませんでした。
しかし、2023年4月より、常時使用する船員が50人以上の船舶所有者には、安全衛生委員会の設置が義務づけられました。また、船員が常時5人以上の船舶の船舶所有者には、船内安全衛生委員会の設置が義務づけられています。
船員向けの産業医制度は、陸上の産業医が適用されることになっています。しかしながら、船員には独自の制度が存在し、健康管理においても例外ではありません。
これらの違いについては、船員に特有の法制度を理解する必要があります。そのため、産業医と海事代理士のダブルライセンスは船員向け産業医にとって有益だと考えられます。
船員向け産業医の特殊性
船員は、労働契約が特殊です。雇入契約と雇用契約の2種類があります。また、陸上の制度で雇用契約がある場合には、予備船員となるため、船員にカウントされることになります。これらの特殊性を船員向け産業医は知っておくべきでしょう。
なお、職場巡視については、1年に1回とされています。
また、「船員向け産業医選任・活用マニュアル」が国土交通省海事局から公表されています。
船員の健康管理に関する書式・様式の陸上制度との違い
このような船員独特の特殊性に対応するため、国土交通省は船員の健康管理に関する書式や様式を公開しており、これらを利用する必要があります。
船舶の化学物質対策
陸上制度では、2023年より、化学物質の自律的管理が開始されています。こちらについては船員法では規制はありません。しかし、化学物質で健康障害が起きた場合には、労働災害となる、又は民事訴訟となる可能性があり、放置することは大きなリスクとなり得ます。特に、船舶には石綿が使用されている場合があります。
私は、建築物石綿含有建材調査者であり、船舶の石綿についてもご相談させていただきます。
産業医で海事代理士を受験しようと考える産業医の先生方へ
海事代理士の受験についてまとめました。
まとめ
船員向け産業医の選任が義務となりますが、海上労働の特殊性を理解している産業医は少ないかと思います。新しい分野ではありますが、弊所の産業医は海事代理士、労働衛生コンサルタントですので、船員・船舶の特殊性を考慮した様々な安全衛生、健康問題に対応でき、船員法・船員保険法を考慮した対応を行えると考えています。
今後、さまざまな船員向け産業医に関する法令改正も予想されますが、常に最新の情報を収集いたします。
海事代理士事務所LAOは、船員向け産業医の委託を受け付けております。年に一度以上の職場巡視に関しては、遠方でも出張いたします。Zoomなどのオンラインツールにも対応しておりますので、まずはオンラインでお気軽にお問い合わせください。
労働衛生コンサルタント事務所LAOでは、産業医・顧問医の受託をお受けしております。労務管理と一体になった産業保健業務を多職種連携で行います。