2023/06/12 2023/06/12
【心理学】つい目立つものに目が行き、目立たないものを無視してしまうサリエンス バイアスについて解説
皆様は、目立つものに目が行ってしまい、目立たないものは気にしない傾向にあるかもしれません。
これは当たり前のことのように思われるかもしれませんが、実はバイアスの一種が関与しているのです。
今回は、そんな話題についてお話しします。
つい目立つものに目が行ってしまうサリエンス バイアスについて解説
サリエンスバイアスとは
サリエンス バイアスは、目立つものや情報に注目し、一方で目立たないものを無視する傾向を指します。
目立つ情報には重要性があると思われがちですよね。その方に注目するのは当然のことと考えられます。
しかし、目立たない情報にも重要性があることがよくあります。
目立たないけれど重要な情報を無視することによって、意思決定が誤ったものになるかもしれません。
サリエンス バイアスの例
サリエンス バイアスが起こっている例を挙げます。
- 強盗事件については1件でもニュースで重大なニュースとして扱われますが、ある人が住んでいる町で周囲の人に親切にしてもらったことはニュースにはなりません。
- 家電の量販店で、目立つ場所に陳列されている商品をみんな気にしています。しかし、少し離れたところに陳列されている同じ性能を有するノーブランドの製品についてはみんな気にも留めません。
- ブランドの衣料品について、目立ったロゴのついた限定品にみんな注目しているが、ロゴ以外の性能は通常品と変わらない。
- ある地域で大きな地震があり、みんな注目しています。しかし、離れた地域で大きな地震ではありませんが地震が異常に頻発していることはみんな気にも留めません。
- 新型コロナウイルスが大変なウイルスであり、感染者数が1万人を超えるとすごいニュースになります。しかし、その一方、低い重症化率、死亡率についてはニュースになりにくいです。
確かに、言われてみれば私たちは多くの状況でサリエンス バイアスが生じていることがわかると思います。
サリエンス バイアスは個人に対してバイアスとして機能し、目立つ要素が意思決定を誤らせる原因となることがあります。また、組織や企業の中では特に目立たない問題が無視されがちであり、それによって目立たない問題が大きな問題に発展していることに気づかないことがあります。
この組織における目立たない問題に介入することは、システマティックアプローチにおいて重要です。
システマティックなアプローチでは、円環的因果律をうまく回すことが重要ですが、目立たない問題を無視すると、円環的因果律を認識することができず、うまく介入することができません。
サリエンス バイアスを避けるには
サリエンス バイアスは、意思決定をする際に目立つ要素に基づいて生じます。サリエンス バイアスの存在を認識することにより、目立つ要素から一歩引いて冷静に判断することができます。目立つ要素は多くの場合、重要な要素でもあり、完全にサリエンス バイアスを回避することは難しいと考えられますが、それでも少しはサリエンス バイアスの影響を軽減することができます。
まとめ
サリエンス バイアスについて説明しました。言われてみれば当たり前のことですが、目立つ要素に注目し、目立たない要素を無視してしまうバイアスが存在することを知ることで、誤った意思決定を避けることができるかもしれません。
組織における意思決定でも、サリエンス バイアスはよく起こります。
また、システムズアプローチでは、円環的因果関係がどのように生じているのかを認識するためにも、サリエンス バイアスの存在を知っておかなければなりません。
個人的に私は、SNSの情報って重要だと思うのです。
そういうと、SNSの情報ってろくでもない情報ばかりだ、うそばかりだという方もおられるでしょう。
はい、確かにほとんどは信用性のない情報です、しかし、そのなかに、マスメディアが書かない、目立たない真実が紛れ込んでたりすることがあります。
サリエンスバイアスの存在を知り、情報リテラシーを向上させ、SNSの情報をきちんと利用できるようになれるといいですね。
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