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化学物質の管理を解説

2023/12/11 2023/12/12

【化学物質】2023年度、日本作業環境測定協会の化学物質管理専門家養成講習を受講して

2023年、私は作業環境測定協会の化学物質管理専門家養成講習を受講しました。このページをご覧いただいている皆様が何かしらのお役に立てればと思い、こちらに忘備録を残しておきます。

日本作業環境測定協会の化学物質管理専門家養成講習

 化学物質管理専門家となるための要件の一つとして、作業環境測定士からなるルートがあります。

化学物質管理専門家となるためには、いくつかのルートがあります。こちらについては、以下の記事を参考にしてください。

この中で、作業環境測定士を経由する経路を、このブログでは「作業環境測定士ルート」と呼び、私がこのルートで作業環境測定士になった経験をご紹介したいと思います。
この2023年の日本作業環境測定協会が開催した、化学物質管理専門家養成講習は、日本で初めて、開催された、作業環境測定士向けの講習になります。

現在(2023年12月)、日本作業環境測定協会以外にも、化学物質管理専門家養成講習が開催されようとしているようです。

私が受講した、日本作業環境測定協会の化学物質管理専門家養成講習は、募集開始からほどなく満席になってしまったようです。今後もあっという間に受講定員に達する可能性が高いのではないでしょうか。ひょっとしたら、化学物質管理専門家養成講習の予約が一番のハードルとなるかもしれません。まるで、産業医の講習会の予約のようですね。

 講習の概要

この作業環境測定士ルートでは、厚生労働省労働基準局長が規定する33時間の講習を修了する必要があります。1日6〜7時間の講義の場合、5〜6日かかる計算になります。おそらく、今後、化学物質管理専門家養成講習は、6日間のコースが一般的になるでしょう。

費用はおおよそ15万円前後です。テキストは中災防が出版しているような、一般的な労働衛生の本のような見た目をしていますが、価格が11,000円と高額です。衛生管理者などと異なり、受講可能な人数が少ないため、お値段が高いのはやむを得ませんね。

6日間にわたる開催ということから、その期間の仕事のお休みを確保することが難しい方が多いかもしれません。私も産業医の予定をキャンセルして受講しました。

化学物質管理専門家養成講習を受講して

ずっと講義の受講が主で、グループワークや実技演習、実習はありませんでした。講義自体はかなり興味深いものでした。具体的な項目は以下の通りです。

化学物質等の暴露評価等
化学物質等の危険性又は有害性等の調査
化学物質等の危険性又は有害性等の調査の結果に基づく措置等
有害物質の動態
化学物質の危険性及び有害性の情報並びに表示
化学物質の作用形態とばく露限界等

何と言っても、日本で最初の作業環境測定士向けの講習ですので、これから内容が変わってゆくかもしれませんね。

 化学物質管理専門家の修了試験

修了試験は筆記試験のみで、合格基準は70点と配布された「受講上のお願い」に記載されています。70点ということですが、おそらく100点満点中、70%が合格ラインでしょう。修了試験の問題は最後に回収されるため、このブログに書いていることが記憶違いで誤っている可能性もありますが、ご容赦ください。

どうも、講義中の講師の先生の口ぶりからして、担当する科目の先生が、修了試験の作問を行っている模様です。したがって、違う団体の修了試験は、以下の情報はあてにならないかもしれないので注意してください。

通常、作業主任者や衛生工学衛生管理者の修了試験の問題は、使用するテキストの内容から出題することが多いです。今回の講義中は講義の範囲のページについては示されましたが、実際にテキストを開けることはほとんどなかったので、講師の先生が準備したレジメもしっかり勉強しておく方がよいでしょう。

講義中は電卓を使用しませんでしたし、結局、試験に計算問題は含まれていませんでした。マークシート形式の5択20問の試験で、70%が合格基準とすると、合格には14問以上の正解が必要です。なお、私は1回で合格しましたが、再試験も可能なようです。再試験の料金は税込みで16500円とのことです。

さて、皆様が気になる試験内容については、うろ覚えの内容を記載しておきましょう。あまり詳しく書くと迷惑かもしれませんので、ご理解いただければと思います。

修了試験を乗り越えるために
  1. ACGIHについてはしっかり学んでおきましょう。
  2. バイオロジカルモニタリングについては出ました。
  3. クリエイトシンプルの結果の表示について問われたものがありました。
  4. 保護具の種類は勉強しておきましょう。作業主任者レベルの知識で十分です。
  5. 保護具の、防護係数についても勉強しておきましょう。
  6. 防じんマスクの区分と粒子捕集効率が出たような気がします。
  7. 吸収缶の色も問われたような気がします。
  8. 日本産業衛生学会のガイドライン、6区分による評価について知っておきましょう。
  9. 集じんについても問われた気がします。
  10. 局所排気装置についても問われました。
  11. 化学物質により起こる健康障害の組み合わせ問題がありました。
  12. ラベルの問題は、国連GHSや、区分について詳細な内容が出題されたと思います。

さて、気になる合格率ですが・・・・わかりません。

この化学物質管理専門家養成講習修了証の写しをを、労働災害発生事業場等への労働基準監督署長による指示があった場合に、労働基準監督署に提出することになります。

 まとめ

2023年に、私は日本作業環境測定協会の化学物質管理専門家養成講習を受講しました。これは日本で初めて開催される、作業環境測定士向けの講習であり、どのような内容が取り上げられるのか、大まかな項目以外は事前に把握できませんでした。しかし、実際の講習内容は基本的な化学物質の管理に関する話題でした。

皆さまも、せっかく6日以上の講習を受けるので、修了試験になんとか合格したいところでしょうね。

普段から、広範な分野の化学物質の知識を身につけておくことが重要です。私も作業環境測定士ですが、作業環境測定士はリスクアセスメントについては業務に密接に関与するわけではないため、勉強しておくことが必要です。実際に、クリエイトシンプルを取り扱ってみると良いでしょう。

通常、産業医としては、化学物質の管理の知識が必須でないため、何も勉強せずに望むのはまずいかもしれません。テキストが最初に配布されると思いますので、受領したら、修了試験まで、きっちり勉強しましょう。

化学物質管理専門家は、これからの資格として将来的な需要がどうなるかは確実な予測はありませんが、早めに取得しておくことが良いと考えます。化学物質管理専門家は、作業環境管理専門家を兼ねますので、作業環境測定の結果、第3管理区分となったときの意見を聴かれる立場にあります。こちらの需要はあるかと思います。このように、化学物質管理専門家は、2024年以降、需要が見込まれる可能性があります。

労働衛生コンサルタント事務所LAOは、化学物質の自律的管理について、コンサルティング業務を行っております。

産業医として化学物質の自律的管理に対応可能な医師はあまりいないと思われますが、継続的なフォローも必要なため、産業医又は顧問医としての契約として、お受けしております。

個人ばく露測定のご相談やリスクアセスメント対象物健康診断の実施についても対応可能です。
化学物質の個別的な規制についても得意としています。

Zoom等のオンラインツールを用いて日本全国対応させていただいております。

詳しいサービス内容は以下のページをご参照ください。

新たな化学物質規制・化学物質の自律的管理支援
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この記事を書いた人

清水 宏泰

1975年生まれ。公衆衛生分野の専門家。現在はさまざまな組織の健康問題を予防するためにLAOにて行政書士・社労士・労働衛生コンサルタントとして活動しています。主に健康、心理系、産業保健の情報について発信していきます。

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